蛍石 CaF2 |
命名者アンペール |
元素界の過激派
フッ素を単離したモアッサン でもちょっと変 |
フッ素は全元素で最も高い電気陰性度(4.0)を持ち他元素と激しく反応する為、自然界には単体では存在せず、他元素との化合物としてしか存在しない。 元素名は、蛍石(fluorite CaF2)の中に未知の元素が含まれている可能性があるとアンペールにより「fluorine」と命名された。これから先(と言ってもフッ素の反応の過激さの為40年くらいかかりましたが)、有機フッ素化合物はいろいろな形で実用化されました。 炭素-フッ素結合は強く、合成できてみると有機フッ素化合物は極めて安定で反応性がほとんど無いので、不燃性・無毒性・熱安定性・耐薬品性などの点で重宝がられました。名前は決まったもののフッ素の単離は長らく実現せず、1800年にボルタが電池を発明し電気分解という手法が確立された事で転機を迎えた。 方法としてはフッ化水素を電気分解するという単純な方法であるが、フッ素の激しい反応性とそれ故の猛毒の為、多くの挑戦者たちが中毒になったり最悪死亡する事となるなど困難を極めた。 1886年になってモアッサンが、捕集器を蛍石にしたり電気分解を-50℃という低温で行うなどの工夫で、ようやく単離に成功に至った。 (モアッサンはこの功績により1906年ノーベル化学賞を受賞している)