アダマンタン炭素骨格

アダマンタン

最初の合成者
   1966年に発行されたチェコスロバキアの「チェコスロバキア化学会100周年」切手(右)。

 デザインされているアダマンタン(C10H16)は炭素と水素だけから成る分子(切手は炭素骨格のみ記している)で、1933年にチェコスロバキアの石油から同国の化学者S.ランダとV.マカチェックにより発見された。名前の語源の大本は「征服されざるもの」。 この物質の存在は1924年にデッカーにより存在の可能性を示唆されていた。 初めて合成に成功したのは1941年で、1975年にノーベル化学賞を受賞したウラジミール・プレローグ(左切手)によってなされた。

 この構造はダイヤモンドの骨格構造と同じで対称性が高い為、融点が268〜269℃と炭化水素では異常に高いという特徴でがある。
 また、全くひずみがなく非常に安定している為、アダマンタンの炭素骨格はワルデン反転を起こすことができない。したがってSN2タイプの求核置換反応は起こらず、一般に競合するSN1反応のみが起こりうる。その為、求核置換反応の化学反応速度論では重要な物質となっている。

 ちなみにアダマンタンはその重要性からセイロン化学研究所のロゴマークにもなっている。



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