儚くも美しく・・・・・ でも一部危険!
夏の風物詩花火。 大音響とともに一瞬眩いばかりに輝き消えてゆく儚くも美しいあの花火。 あの鮮やかな赤は実はストロンチウムの炎色反応の色なのである。
炎色反応とは: たとえば、塩(塩化ナトリウム)を火であぶると火が黄色くなる。 これはナトリウム元素固有の色で、他の金属の場合他の色を出すので簡単な金属元素の検出にも使える。 これを炎色反応という。(確か高校で習うはず) 難しい理屈は抜きにしても、なかなか美しいものなので機会があれば試してみて下さい。 お奨めはストロンチウム(深紅)、銅(青緑)です。 どうせナトリウム(黄)は料理をしてる時に見かけるでしょうからパス。
ストロンチウムといえばもう一つ。 チェルノブイリ原発事故ですっかり悪名が広まったストロンチウム90(この90という数字は原子量)。 この間も「ストロンチウムって大丈夫なんですか?」と聴かれてしまいましたが、天然に存在するほとんどのストロンチウム(原子量84,86,87,88)は放射性はありませんので冤罪です。ところが原子力発電や原爆などウランやプルトニウムが核分裂するときにできるストロンチウム(原子量89,90)は放射性で、人体にとってやっかいな存在です。 ストロンチウムはカルシウム(骨などに多量に存在)に化学的な性質が似ているため、人体に長く残留してしまう。 その為、特に寿命の長いストロンチウム90(半減期29年)はガンの原因となり、最も危険な放射性元素の一つといわれている。
追記:最近の夜中でも明るく光る避難指示掲示板などに使われている蓄光材料は、アルミン酸ストロンチウムを基材とした蛍光剤である。