セレン結晶 |
月は出ているか?
セレンは、テルルの同族軽だがより軽元素にも関わらず、テルルよりあとの1817年ベルセーリウス*により発見された。(同族なら軽い方が先に見つかる事が多い) テルルがラテン語の地球(ローマ神話では大地の女神)に由来して命名されたのに対応して、セレンはギリシャ語の月(selene ギリシャ神話では月の女神)に由来して命名された。(なんでテルルがラテン語でセレンがギリシャ語?という突っ込み所はありますが)
セレンは光を当てると電気が流れやすくなる(光伝導性)ため、その化合物はコピー機の乾式感光ドラムに使われる。 また、哺乳類にとっては必須元素であるが、ちょっと過剰に摂取すると毒にもなる。(まぁ、大概の物質はどれも度が過ぎれば毒性を示しますが、セレンは欠乏(<20μg)と過剰(>800μg)の差が小さいので要注意)月はいつもそこ(テルルTeの上)にある
*:ベルセーリウスはスウェーデンの大化学者。現在のようなアルファベットによる元素記号を提唱。セレンのほかにも、セリウム(Ce)・トリウム(Th)を発見。原子量の精密測定も行った。「タンパク質」や「触媒」といった化学用語を考案。ヴェーラーの師匠