マグネシウム含量が多いのが自慢

Mg マグネシウム(Magnesium)

     原子番号:12 原子量:24.3050

意外と身近な軽金属元素

 マグネシウムは非常にポピュラーな元素で、地球表層部の元素存在度(クラーク数)が8番目に大きい元素である。マグネシウムは電気陰性度が高く非常にイオンになりやすいので天然には単体として産出しないが、塩やイオンの形で広く分布している。
 それ故海水はもちろん、水の中にも結構含まるれている事が多く、特にマグネシウムやカルシウムの多い物は硬水と呼ばれてる。 (右切手のようにスロベニアではマグネシウム含量が多い事を宣伝文句にしている天然水が売られている)
 お風呂で体を石鹸で洗った後、洗面器でタオルを洗うと石鹸カスが出るのは皆さんよくご存じかと思いますが、軟水よりも硬水の場合の方が多く出ます。 これは多価の金属イオン(Mg2+、Ca2+)が石鹸(脂肪酸ナトリウムR-COONa)のカルボキシル基(-COO-)と結合して不溶性になるためである。
日本の食文化・豆腐
 似たような原理を利用したのが豆腐を凝固させるニガリ(主成分:塩化マグネシウム)である。これはマグネシウムイオンが豆腐のタンパク質側鎖にあるカルボキシル基と結合(>COO- Mg2+ -OCO<)し、ネットワークを形成してゲル化するためである。
 生物にとってもマグネシウムは必須元素で、特に植物にとっては光合成を行う葉緑素(クロロフィル)の中核となっている。。
 またマグネシウムはアルミよりさらに軽い(なんと2/3!)金属であるため、軽量化が求められる航空機や自動車、たまたICBMなどおっかない物にも使用されている。最近は、平和にモバイルパソコンやカメラのフレームにも使われるようになってきている。 ただし、金属マグネシウム単体(特に粉末注意!)では閃光を放ちながら燃えてしまうのでそのままで使う事は稀で、必ず合金として利用されている。
多分右  この閃光を逆に利用したのが、昔のカメラのフラッシュとして使われていた(チャップリンの映画とかに出てそうな)閃光粉である。 閃光電球が出現してからもう使われることは無くなったが、実際に実験で試した方いるそうです。
 あとマニアックな(けど有機化学者なら絶対外せない)ところでは、フランスのヴィクトル・グリニャールさん(多分右の方)が開発したグリニャール試薬というのもある。

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