求核置換反応とは炭素を中心骨格に持つ分子の一部分(脱離基)が別の部分(求核剤)に置き換わる反応です。カッシェを使って説明するなら、求核剤(緑の玉)が中心炭素に接近して繋がりその反動(?)で脱離基(赤い玉)が追い出されるという物です。 この反応は求核置換反応の中でSN2反応と呼ばれる物で、中心炭素に繋がってる基が、台風で傘がおちょこのようみたいにひっくり返されるように、反転してしまうのが特徴です。(この反転を発見者にちなみワルデン反転と言います)
この反転により立体的な並びは一種のみになります。(専門的に言うと光学異性がある状態) また反応速度は求核剤と脱離基の付いてる元分子が関わるので、その二つ濃度によって決まる。(SN2の2はここから来てます)SN2があるならSN1反応もありまして、これは完全に脱離基が外れた後、求核剤が付くと言う物です。 一旦脱離基の離れた分子は右絵中央の赤玉・緑玉の外れた状態の三角形になり、求核剤は右からも左からも接近できるため立体的な並びは二つ取れる。(専門的に言うとラセミ化した状態) また反応速度も、脱離基が外れる段階が律速(一番遅くて反応速度を決定づけている事)となり、元分子の濃度のみに依存している。
ちなみに完全なSN2反応と言った物は無く、実際にはSN1と競争的に求核置換反応は進むのが一般的です。