今回は高分子(ポリマー)の原料、単量体(モノマー)です。今回ご紹介するのはモノマー内の二重結合が開いて隣のモノマーの二重結合に結合しその二重結合を開かせまた隣の・・・・・とどんどん繋がって(専門的には付加重合と言います)いって高分子になるタイプの物です。分子内に二重結合を持つのが特徴です。ベネズエラの切手にはエチレン(H2C=CH2)・プロピレン(CH3-CH=CH2)の炭素部分を現わしており、韓国の切手にはさらにブタジエン(H2C=CH-CH=CH2)が描かれてます。それぞれ重合して高分子になるとポリエチレン(ポリエチの略称でもお馴染み)、ポリプロピレン(Ziegler-Natta触媒で立体特異的重合に成功)、ポリブタジエンとなります。 一般に「塩ビ」と呼ばれるポリ塩化ビニルもこの仲間です。
追補: エチレンは果物の成熟ホルモンという側面もある。植物自体もエチレンガスを出して(リンゴなどが特に発生量多い)自らの果実を熟させるが、一般に得られるエチレンガスでも同様な効果が得られる。 例えばバナナは、害虫の侵入を防ぐため未熟な青い状態で輸入されているが、国内でエチレンガスを含む空気に晒す事で市場に出回るような熟した黄色の物になる。なお、成熟も度が過ぎれば鮮度が落ちるので、逆にエチレンガス吸着もしくは分解させて濃度を下げれば鮮度を長く保つ事ができる。