Jadavpur大学創立50周年 cyclobutene

シクロブテン

   右の切手はインドの有名な科学・技術+芸術系大学Jadavpur大学創立50周年記念の切手です。

 その中にはそれぞれの分野の象徴的なデザインが描かれています。そんな中にあまり見慣れない分子モデルが一つ。

 適当なデザインかと思いきや、これ見まごう事なきシクロブテン

 シクロブテンは炭素(オレンジ)と水素(紫)からなる二重結合一つ持つ四員環分子。室温で気体(沸点2℃)、構造的にも不安定で重合してポリマー(合成ゴムの代表格ポリブタジエンなど)になるらしいが、扱いやすい分子とは言えず、決してメジャーな分子とも言えない。何故にこんな分子が採用されたかは不明。所以を御存じの方お教えください。

*:炭素の結合角はsp3の場合(メタンのように多重結合を待たない場合)109.5°、sp2の場合(エチレンのように二重結合を持つ場合)120°なので六員環あたりが一番安定。四員環だと90°くらいなので、かなりの歪を抱え込んでおり、その分環が壊れ(開環)やすくなる。

中間調査報告: まだ自分にはシクロブテンとJadavpur大学との関連は見つけられていません。ただし気になる事が1点。
 この切手が発行された2005年のノーベル化学賞はメタセシス反応を対象としたものでした。この反応名はギリシャ語の「位置を交換する」に由来し、結果だけ見れば二重結合を持つ二つ化合物の側鎖が入れ替わったように見える反応である(実際には二重結合の組み換えであり、側鎖が移動した訳ではない)事に関係しており、有機化学合成法に革命をおこしている。 歪の大きい小員環は二重結合と同じような振る舞いをするので、シクロブテンもメタセシス反応を起こし同反応の発見にも重要な役割を演じてる。 そういう理由で化学を象徴する分子として取り上げられたのなら納得できる。2005年のノーベル化学賞の発表が10/5で切手の発行が12/21なのでインド郵政仕事が速い



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