プロインスリン

インスリン

執念のインスリン分子構造
   インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるタンパク質です。前駆体のプロインスリン(右切手 丸はアミノ酸1単位)が分解して分子量約6000のインスリン(黒い部分)になります。インスリン分子は二量体としては左切手のような形をとる事が結晶のX線構造解析で分かっています。

 インスリンは肝・脂肪細胞などで、炭水化物代謝の増加、グリコーゲン、脂肪酸、タンパク質合成の促進、およびアミノ酸摂取の促進などの生理作用を示します。しかし最も有名なインスリンの特徴は血糖降下作用をもつ唯一のホルモンである事で、異常に血糖値が高くなって起こる糖尿病(1型)の患者には欠かせない治療薬になっています。なお、日本史上では藤原道長が糖尿病の記録される最古の事例になっています。

 いろいろな発明・発見に付き物ですが、インスリンの発見や構造決定においても誰が一番始めかで一悶着あったり競争があったりします。(To be continued....) 



[紙の上の分子達]  [科学切手の世界MENU]  [Top Page]に戻る