中国 「科学技術創新(人工合成澱粉)」 2023年発行     詳細反応経路と「科学技術創新」切手全景

 この合成法は、最初二酸化炭素を、水素添加触媒を用いて「化学的」に、メタノールに還元するが、それ以降は系中に存在する種々の酵素の作用により、一つの酵素反応の生成物が、次の酵素反応の基質となり、自動的に多段階の変換が進み、最終的に澱粉が生じるという大変効率の良いプロセスである。二酸化炭素から澱粉への変換速度は、トウモロコシの約8.5倍であったという。この基本的プロセスの設計はコンピュータによって行われたが、合成の実施に際しては酵素反応の鑑賞などの不都合を避けるためにタンパク質工学による酵素の修飾なども加えて最適化を行った。

このプロセスに登場する中間体の構造式が、切手に描かれた円弧に沿って時計回りに色分けされた円の中に描かれている。以下に各構造式に対応する化合物名を示す。

       (1)橙色の円:二酸化炭素→メタノール→ホルムアルデヒド→
       (2)朱色の円:ジヒドロキシアセトン→ジヒドロキシアセトンリン酸→D-グリセルアルデヒド-3-リン酸→
       (3)バラ色の円:フルクトース-1,6-二リン酸→フルクトース-6-リン酸→グルコース-6-リン酸
       (3)青の円:グルコース-1-リン酸→ADPグルコース→澱粉。

   文献 Tao Cai et al. “Cell-free chemoenzymatic starch synthesis from carbon dioxide” Science, Vol. 373, issue 6562, pp1523-1527 (2021); DOI:10.1126/Science.abh4049.

戻る