塩化ナトリウム(いわゆる塩)とアンモニアと二酸化炭素から炭酸ナトリウムと塩化アンモニウムを作り出すプラント。 人物像の下に反応式があります。
NaCl + NH3 + CO2 + H2O → NaHCO3 + NH4Cl
2NaHCO3 → Na2CO3 + CO2 + H2O
化学式に間違いはない。だが、ここで安心するのはまだ早い。プラントの方を見てみると... (左拡大図参照)原料が...
CH2って何だ?! ちなみに正解はCO2です
切手のおじさん(候徳榜:化学者)も心持ちムッとしています。
毎年年末にスウェーデンからノーベル賞の切手が発行されます。 右の切手もその一つ、ZieglerとNattaのノーベル化学賞受賞(1963)を祝したものです。
Ziegler-Natta重合で得られる[-CH(-CH3)CH2CH-]nポリプロピレンの分子モデル・・・・・あれ?炭素数が違う!ポリイソプレンプロピレンとエチレンの共重合体??(Zieglerはポリブタジエン、Nattaはポリプロピレン)
さらに、切手帳の表紙にある分子モデルはどう見てもつくばの後藤様・牛島様、化学切手同好会の川井様・稲垣様・齊藤様ご指摘ありがとうございました。
[-CH-CH(-CH2)CH3-]n
だったりする。 こんな分子は存在しない。まさに火に油の大炎上!上級に昇格か?
ワトソンとクリックのDNAの構造と役割について明らかになってから、世間の注目と相まって科学切手でもDNAが取り上げられる事が多くなりました。しかしその中でもこれはちょっと・・・と言う物も出てくるようになりました。
○ 問.DNAは右巻き?左巻き?答. 右巻き(右ねじの巻き方)したがって、右のイスラエルの切手のDNAは間違いです。
巻き方が逆です。 いくら模式図だといってもごまかせません。
○ いい加減すぎるDNAもはや言うべき事は無いでしょう・・・
右の切手はノーベル賞100年記念の切手です。シート地にノーベル賞のうんちくが書いてあります(左下拡大図)が、よーく見てみると・・・小さな字で(1行目)に
Noble prizeと書いてある。それもご丁寧に太文字で。
いくらノーベル賞が世界で一番有名で権威のある賞だとしても、所詮賞は賞。 ノーベル賞は高貴ならず。
(Nobel prize is NOT noble prize.)
ノルウェーの「天然ガス開発」の切手。 ちょっと渋めのなかなか凝ったデザインで格好いいですね。(私見)背景には薄い字で、右にCH4(メタン)、切手またがってC2H6(エタン)、左にはC4H10(ブタン)、左上には・・・
C5H+ 何じゃそりゃぁー!
(意味不明)
2011年12月30日にモザンビークから発行された2011年ノーベル化学賞の切手シートです。 同賞は「準結晶の発見」をしたDan Schechtmanに送られたもので、その発表は10月5日の事でしたから、発表からたった2カ月もしないうちに切手になっちゃってます!
こういう訳あり切手発行国のバックには海外のエージェンシーがついており、昔はおバカ切手ばっかりだったのでほとんど無視してましたが、最近は知恵がついてきたのか油断できません。
などと感心しながら眺めてみると。。。。 切手シート地左上にはZn(亜鉛)-Mg(マグネシウム)-Ho(ホルミウム)(準結晶は合金系で発見されてます)のX線回折図、その隣にはAl(アルミニウム)-Co(コバルト)-Nの準結晶の構造モデル・・・・・
ん?N(窒素)? それ違うだろー! これはいただけません。
調べてみたらNi(ニッケル)でした。
長年の習慣はなかなか抜けないようです。期待は裏切ってくれません。
シエラレオネから出たメンデレーエフ没後110年の切手が出ました。切手のボッタクリでも有名な国家の一つですが、今回もやらかしてくれました。
4枚の切手の中で元素の元素記号、原子番号、電子軌道、質量数、名称が表記されています。その内の1枚(左)の中にCoperniciumの表記が! 112は原子番号、285は質量数(最も安定で質量数が最大の同位体と考えられている物)として元素記号はCp。。。。。ってCnじゃありませんでしたっけ?
などと不信に思いながら眺めてみると。。。。 別の切手(右)にCnの記号が! 112はコペルシニウムの原子番号、(277)は質量数(最も小さい質量数と考えられる同位体の質量数)とこちらはあってるようです。 右下には鉄が、左上に原子番号(26)・右上に電子軌道(内殻略 3d64s2)・中央に元素記号(Fe)・その下に元素名(Iron)・さらにその下に原子量(55.847)で表現されておりこちらはGOODです。なお残りの二つの切手では、鉄の表記に準じた形でオスミウム・レニウム・フッ素が表現されております。
補足: IUPACの規定に「安定同位体がなく、天然で特定の同位体組成を示さない元素については、その元素の放射性同位体の質量数の一例を( )内に示す。従ってその値を原子量として扱うことは出来ない」というのがあるそうです。
ニュージーランドから出た4枚連刷の「教育」をテーマにした切手の一枚です。よくある授業風景のように見受けられますが、真ん中の試験管をバーナーで加熱している少年がいますが・・・・よく見ると、試験管の中ほどを加熱しています。
これはダメです。危険です。良い子は絶対真似をしてはいけません
正しくは試験管の底を加熱しましょう。そうすると底部で加熱された液体は温度が上がり密度が軽くなるので上方に上がり、上方にある密度の高い冷たい液体は下方に降りるという対流が起こり試験管内ではほぼ均等に温度が上がります。
ところが切手のような加熱をすると、底の方は冷たいままで中央部の温度だけが急激に上昇し沸騰じ体積が急増しますので、熱い液体が試験管から飛び出すという危険な状況になります。業界用語ではこれを突沸と言います。