その名の表さぬもの
名前の由来はその炎光スペクトルが緑色のため、ギリシャ語の「新緑の若々しい小枝(Thallos)」に由来している。
アガサ・クリスティの処女作スタイルズ荘の怪事件 |
一価のタリウムイオンはカリウムイオンと性質が似ており、体内に入るとカリウムイオンとの置き換えがおこる。これは人体にとって極めて不都合で、それ故タリウムはその名前からは想像のつかない毒性を持っている。 ミステリーの女王アガサ・クリスティの小説「蒼ざめた馬」でも毒殺に使う元素として登場している。(主人公は被害者達の髪の毛が抜ける事から、タリウムが使われている事に気付いている)
かつては実際にも脱毛クリームや殺鼠剤等にも使われていて、比較的入手は簡単だったようだ。(現在では劇物として厳しく管理されている) 日本でも頭の良い愚か者の手によって硫酸タリウムを飲料に混ぜて殺害未遂事件が起こっている。