ノーベル様には逆らえない
ノーベリウムに関する始めての報告は1957年スウェーデン・イギリス・アメリカ共同研究チームがノーベル物理学研究所で作り出したというものであった。が、その後他の研究グループが追試したが確認はされなかった。さらに幾つかのグループが挑戦し、結局質量数の異なる8種類(中性子の数が違うって事)が得られた。
さて名前をどうしよう?と発見者達が決めた名前は、ノーベル物理学研究所チームが提案したノーベリウム。 もちろん由来は、科学者羨望の的・ノーベル賞を作ったアルフレッド・ノーベルその人である。 ああ、それならばという訳で、話は丸く収まりましたとさ。(普通こじれるぞ)
補足: ノーベルとノーベル賞のお話
ノーベルは父とともにニトログリセリン工場をつくった。 しかし、ニトログリセリンはショックを与えると爆発してしまうという危険な代物で、その爆発事故で工場は壊滅、弟は死亡、父は大怪我を負うという不幸の連続にみまわれる。 これではいけないと考えだしたのが安全な爆薬ダイナマイト。 さらにノーベルは無煙火薬などを開発し、特許を取りまくり、巨万の富を得る事になる。 その資産が彼の遺言(1898)によりノーベル賞の財源とされた。
国籍不問という遺言、莫大な賞金(例えば1999年は日本円にして約一億二百万円!)、厳しい選考で今やノーベル賞は最も権威のある賞と言われるようになった。 ただその大きな賞金のためか一時はその財源も目減りした時期もあったそうだが、財テクがうまくいって今は持ち直しているそうである。
ちなみにノーベル賞には、化学賞・物理賞・医学生理学賞・文学賞・平和賞・経済学賞(1969年付け足し)があるが、数学賞はない。一説にはノーベルも絶賛していたロシアの女性数学者(Sofia Vasilyevna Kovalevskaya)にふられてしまったためとも言われている。ご同情申し上げます。(どちらに?)