無能の能
金はこれまた歴史が古い。 紀元前2600年ごろの遺跡からは金を使った宝石細工が発見されているし、 聖書の中にも何と390回も出てくる。 ことわざもまた山のようにある。(さあ、数えてみよう)
なんでそんな昔から使われているかというと、金は安定な物質なので 結構そのまんま「金」の形で産出しそのままで使えるので、たいした技術がなくとも手に入れる事ができるという訳である。 さらに金は美しい輝きを保つので(これもその安定性ゆえ)人間様に大人気。
だから、亜鉛・銅・ニッケルなどの普通の金属だと硝酸のような酸に溶けるが、金の場合だとそう簡単にはいかない。 唯一金を溶かす事の出来る酸は王水(名前からして偉そう:濃塩酸3対濃硝酸1の配合で出来上がり)のみ。 でも、実はそれ以外にも金を溶かす事の出来るモノがあったりします。 何とビックリ!それは昔はどこの家庭にもあったヨードチンキなんです。(うちの研究所の中尾氏の発見!)
もう一つの金の特徴はとにかく柔らかくて伸びーる。 叩いて延ばせば0.1ミクロン(1万分の1mm)まで薄くできるし、1gを伸ばせば2800mぐらいまで伸ばせます。 ついでに電気を通しやすくさびないので、コンピュータのIC回路の配線なんかにも使われたりします。(細くできるので材料費はそんなにかからない)
あまり知られていないが、ある種の金の化合物はリュウマチの薬として使われている。 とはいっても金ならなんでも良いという訳ではなく、金の塊だと反応はし難いわイオンにはなり難いわ全くといって良いほど吸収されないので、金箔入りの酒の金なんてのはほとんど毒にも薬にもならないようです。 ただそのまま「う○ち」に混じって出てくるだけ。