評 決 A.L.ラボアジェ(1743-1794)
1794年、時はフランス革命の熱狂がまだ覚めやらぬ頃、一人の科学者が断頭台の露と消えた。
彼の名はラボアジェ。
彼の近代科学に対する貢献はそりゃすんごいもので、ギリシャ時代から言われてきた
「四元素説の打破」、
「質量保存の法則」の確立、
「フロギストン説の否定」など枚挙の暇がありません。
まさに偉大なる科学の先駆者といえましょう。
しかし、収税官(←税金の取り立て請負人。いつの時代も好かれる事の少ない仕事)をやっていたのが災いして死刑判決を受ける事に。
(暮し向きの結構良かったのでやっかみも多分にあったのでしょう。 一説にはピンはねして高価な実験器具を買っていたという話も・・・)
そして、その時処刑を決定した判事はこう言った
「共和国は学者を必要としない」
(死刑の是非以前の問題として)罪を罪として処罰するのはまだしも仕方の無い事かも知れない・・・。
しかし、判事様、本気でそう仰っているとするなら、
彼の死を知った当時最大の数学者ラグランジュはこう言って嘆いたという。
「ラボアジェの首を断ち切るのはただの一瞬で充分であった。
しかし、それと同じくらいの頭脳が再び現れるには百年も待たなければならない。」
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