師弟愛 北里柴三郎(1853〜1931)とロベルト・コッホ(1843〜1910)

  北里柴三郎先生(以下敬称略)にまた御出でいただきました。北里は1885年から1891年まで近代細菌学の開祖ロベルト・コッホの下に留学していました。コッホの方は始めは「ドイツ語がちょっとできる日本人」が来たくらいにしか思っていなかったようですが、北里の実験手腕を知るに至りすっかりお気に入りになったそうです。 北里の方もコッホを非常に尊敬して、滞在中に大きな成果を残し、さらにコッホの信任厚くなりました。

 相手が偉いからと言って卑屈になるどころか、剛速球なド直球ぶちかましてくる北里だが、一度尊敬するに値すると認めると敬愛する事この上ない。こういう所も肥後もっこすらしい。 肥後で佐々成正が統治者になりえず、加藤清正公が今なお敬愛されているのもこういう気質のためである。おっと、だいぶ脇道に逸れてしまいました。

 帰国後コッホを日本に招聘(1908年)した時も大歓迎をし、コッホもすっかり日本贔屓になりました。(和服を着たコッホなんて切手も出てます なんでトルコが?は不明)

 その後コッホが亡くなられたという報を受けた時北里は深く悲しみ、保管していた来日時に散髪したコッホの髪をご神体とし敷地内にコッホ神社まで建ててしまいました。
 今でも白金の北里大学の片隅にあると聞いて参拝してきました。意外に新しいなぁと思ったら2006年5月に修復したそうです。北里神社もあったそうですが1945年に戦災で焼失し難を逃れたコッホ神社に合祀したそうです。
 私も5円(ご縁)入れて「面白い実験結果が得られますように」等などと虫のいいお祈りをしてきました。
追記:コッホ・北里神社は埼玉にある北里研究所の北本キャンパスにもあるそうです。こちらの方が新しいようで立派な鳥居なども付いているそうです。参照 (新井様情報ありがとうございました)