バイヤーとリービッヒ

インディゴ

 身近なところではジーンズの青の元となる染料。防虫効果があると言われその為ジーンズの染色に使われた。最も古い染料としてメソポタミア・エジプト・ローマなど古代文明でも知られていた。水には溶けない為染料のくせに繊維には定着しずらく、ジーンズなど長年履き続けると色落ちする。(いわゆるビンテージ物になる)

 封筒左図に分子模型が描かれているそんなインディゴは、1880年にドイツの化学者アドルフ・フォン・バイヤー(封筒左図の御仁 印面はリービッヒ、この人はこの人で面白いが今回の件では無関係)によって合成に成功。石炭から作る合成染料の誕生である。これにより天然のインディゴは合成物に取って代わられる事となった。
 この功績によりバイヤーは1905年にノーベル化学賞を受賞しており、彼を称賛してこの封筒は作られたようである。

Hoffmann
 また、インディゴの構造式はロアルド・ホフマンの切手にも登場している。(切手左とタブ 産総研の清水様情報ありがとうございました)
 ホフマンは量子化学に基づきπ(パイ)共役系を持つ分子どうしの有機化学反応の立体選択性を予測する法則(ウッドワード・ホフマン則)を導き出した御仁である。 (この功績により1981年ロバート・バーンズ・ウッドワードと福井謙一とともにノーベル化学賞を受賞)

 ちなみにご尊顔に左下に描かれているのはウッドワード・ホフマン則を図的に表した軌道相関図である。 インディゴはπ(パイ)共役系が長く繋がっているのでウッドワード・ホフマン則を当てはめられそうだが、具体的にどう関係しているかは?である。



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