蜂の切手なだけに六角形ですが、注目すべき点はそこではなく、蜂の下に小さく描かれている分子式にあります。この分子はグルコン酸(IUPAC組織名は (2R,3S,4R,5R)-2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキサン酸 面倒くさいからほとんど誰もその名では語られない)といい、多くの天然の食品中に少量存在する弱い有機酸(構造式の中にCOOHがあります)で、蜂蜜(特にロイヤルゼリー)の中にも存在する。
物としてはブドウ糖(D-グルコース)を部分酸化して得られる。グルコン酸及びその塩はpH調整剤などとして食品添加物として認可されている。
またグルコン酸自体強力なキレート剤(錯体を作る配位子)であり、金属イオンを取り巻く形をとり、疎水性である細胞膜などを通過しやすくなる。その為、カリウム・鉄・亜鉛などそのままでは吸収されにくい金属イオンを吸収されやすい金属イオン補給剤としてグルコン酸塩が使われている。(グルコン酸は生分解性であるという側面も利点となっている)