クラウンエーテル
「教育」をテーマにしたチュニジアにした切手ですが、描かれてる本の中にいろいろなネタが仕込まれています。 その中で右上の方良く見てみると・・・ いますいます金属イオンを内包したクラウンエーテル(形が王冠のようなのでクラウンの名がついてます)が!
もう少し正確に言えばこれは18-クラウン-6-エーテル(黒い丸が炭素、ピンクの丸が酸素、中央の黄色い球が金属イオン 18は環を構成する原子の全数=炭素と酸素の総数、6は金属イオンに配位している酸素の数)
この分子どうゆう物かというと、外縁は炭化水素なので有機溶媒に溶けない金属イオンを酸素が取り囲むように(専門用語では配位)分子中央に取り込みつつ溶解できるようにするという優れモノ。
クラムさん |
レーンさん |
このクラウンエーテルを発見した功績でデュポン社のチャールズ・ペダーセンが1987年にドナルド・クラム、ジャン=マリー・レーンと共にノーベル化学賞を受賞しています。ペダーセンはアメリカ国籍ですが、父親はスウェーデン人で母親は日本人だったので「安井良男」という日本名も持っていた。
また、修士課程修了後すぐにデュポン社の研究員となりこの発見をしたため、博士号を持たないノーベル賞受賞者となった珍しい御仁でもある。
(ちなみに2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は、修士以上の学位を持っていなかった初の科学系ノーベル賞受賞者となる)化学切手同好会の齊藤様・後藤様情報ありがとうございます