食べられないサンドイッチ

ビス(ベンゼン)クロム

   ジェフリー・ウィルキンソンと共にエルンスト・オットー・フィッシャー(切手の背景の御仁)が1973年にノーベル化学賞を受賞した対象の有機金属化合物群(その見た目からサンドイッチ化合物と呼ばれる)の代表格。
不思議な構造に見えるかもしれないが、これベンゼンのπ(パイ)電子系を受容するクロム錯体の一種。(日本ではTuzumi cmplex(鼓錯体)という名前が提唱された。形からして言いえて妙であるが、世界的な知名度でサンドイッチに負けたようだ)

 切手シートのタブ(耳紙)には、名前:Bis(η6-benzoyl)chromo(0)、化学式:Cr(C6H6)2、分子量:208,22 g・mol-1、物質の状態:固体、昇華温度:約150℃, HV、融点:284-285℃、密度:1.519 g・cm-3とドイツ語で記載されている。 化学マニア心を押さえたドイツらしい芸の細かさに感心させられる一品です。

化学切手同好会の川井様・稲垣様、情報ありがとうございます。
 

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