パラス・アテナ像

Pd パラジウム(Palladium)

パラジウム結晶顕微鏡像  原子番号:46 原子量:106.42

たまには間違いもある

 パラジウムは1803年にイギリスのウオラストンにより発見された白金族の一つで銀白色の金属です。
名前の由来は前年の1802年に発見された小惑星パラスから来ている。と言ってもこの小惑星の切手は無いので、その代わりに小惑星の名前の由来由来であるギリシャの都市アテネの守護女神パラス・アテナの切手を紹介しておきます。パラス・アテナは知恵、芸術、工芸、戦略を司るを女神で、ギリシャ神話では元々の名前はただの「アテナ」でしたが、誤って親友のパラス(トリトーンの娘)を殺してしまい、それを悔いてパラス・アテナと名乗るようになったそうです。(異説あり そちらも血生臭い話ですが)
排気ガス
 話を元素に戻しますと、パラジウムは自分の体積の900倍もの水素を吸蔵する事が出来る為、水素の精製・水素添加触媒に使われています。またその触媒機能の高さから排気ガス浄化装置にも使用されており、自動車の排ガス規制が強まった1990年代にはパラジウムの値段が高騰しました。
ばったもんパラジウム切手
 その希少性と化学的安定性から貴金属としても取引されています。例えば、トンガでは記念貨幣にもされた事があったようで、記念貨幣を模して造られた円形切手にはThe First Palladium COINAGE in History(歴史上初のパラジウム鋳造)と書かれています。

 世界切手カタログで有名なスコットカタログではこの切手自体をパラジウム箔の切手として紹介していますが、実際には主成分はアルミでパラジウムのパの字も入っていません。(詳しくは齊藤氏の著書「切手が伝える化学の世界 化学に親しむはじめの一歩」の元素分析結果をご参照ください) 天下のスコットでも間違える事はあるようで。


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