輝コバルト鉱
エリスライト Co3(AsO4)2・8H2O
鮮やかなワインレッド色から別名「コバルト華」
コバルト鉱床を探す目安にも
輝コバルト鉱
輝コバルト鉱 CoAsS

Co コバルト(Cobalt)

     原子番号:27 原子量:58.933195

厄介物からレアメタルに

 名前の由来は、その昔ドイツの鉱夫たちがコバルトの鉱石から銀を取り出そうとしていましたが上手くいかないので、悪い山の精「コボルト」の仕業として呼ばれていた事によるとの説が有力です。
 と当初は邪魔者的な扱いでしたが、今やコバルトはレアメタルにも指定されている元素で、遷移金属の中で一番強い磁性を示す為、パソコンのハードディスクの磁気ヘッドには鉄との合金として使われています。 また最近はリチウム二次電池の電極材(LiCoO2)としての需要が大きなウェイト占めてます。

 またコバルトはいろいろな分子と錯体を形成して様々な色を出す事が知られており、身近な所では塩化コバルトが含浸された吸湿剤シリカゲルが有名です。 (無色のシリカゲルの中にある色が付いた奴) 青色はCo(CoCl4)の色で、ピンクの色はシリカゲルが空気中の水分を吸収しコバルトと水が錯体[Co(H2O)6]Cl2を作って出す色です。 加熱すると水分子が外れて可逆的に青色に戻ります。

ホジキン女史
ビタミンB12の三次元構造を
明らかにしたホジキン
真ん中の*みたいな所が多分コバルト
放射改列放射線治療
  生物にはあまり関係が無いように思われがちなコバルトですが、ビタミンの中で最後に構造決定がなされたビタミンB12の中に含まれており、微量ながら必須元素になってます。(人間大人一人に1.5mg程度のコバルトが存在)
 コバルトの中でコバルト60は半減期5.27年の人工放射性元素で、γ線源として放射線治療にも使われています。(右切手参照 背景にコバルト60の放射壊変図入り お見事!)

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