マン島の新型コロナ切手

キサンチン

 まだまだ油断のならない新型コロナ、もう100を超える切手が世界各国から出ています。

 これもその中の一つ、マン島から発行された8枚セットのうちの1枚。
 「科学」で新型コロナを乗り切ろうというコンセプトで、白衣の人の背景に科学を象徴する記号がわらわら。

 左の化学構造式は、DNA塩基グアニン・アデノシンやエネルギー貯蔵物質ATPの分解物であるキサンチンで割と体内のどこにでもある物質。痛風で悪名が高いプリン体の中間代謝物とも言える。酸化酵素で分解され尿酸(こいつが体内で高濃度結晶化するのが痛風の直接原因)となり小便として排泄される。

 右上の E=mc2はお馴染みの相対性理論で一番有名な式。

 右の化学式C10H13O7N2Pはリンが一つで酸素が多い事から推測して、これもリン酸基を持つDNA絡みか?と見当をつけて調べてみると、DNAの構成単位デオキシヌクレオチドのチミンタイプ(Deoxythimidine)が該当していました。 構成原子数が多いので、異性体(同じ数、同じ種類の原子を持つ構造の違う物質)もありそうではありますが。

 残る3つの式と図形はよく分からない(お分かりの方お教えください!)ですが、共通しているのは。。。。。新型コロナウィルスと何の関係も無さそうという事です。多分とにかく科学っぽいなら何でもいいやぁって感じでデザインされたようです。

 この切手の残る7枚のテーマは「愛」「信仰」「悔悟」「思いやり」「労働」「地域社会」「言葉」。 ここで信仰とか出るのは如何にもキリスト教的だなぁと思いましたが、日本でもアマビエを拝んだりするからまぁ似たようなものかと。



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