抗マラリア薬

抗マラリア薬

キニーネ
   マラリアは熱帯から亜熱帯に広く分布する原虫感染症で、ハマダラカによって媒介される。現在世界では100カ国以上、年間3〜5億人が感染し、死亡者数は150〜270万人も出ている。今でこそ日本ではマラリアは発生してない(海外感染を除く)が、昔は死に至る病として恐れられ、平清盛や一休さんなどがマラリアの為に死んだと言われている。

 左切手の分子構造式は最初の抗マラリア薬・キニーネで、キナ(右切手の植物)の樹皮から1820年ピエール・ジョセフ・ペルティエとジョセフ・ベイネミ・カヴァントゥにより初めて単離された。 また右切手の分子構造式は合成抗マラリア薬クロロキン(左黒)とプリマキン(中央赤)である。

 いづれも強い副作用があるため使用には注意が必要である。クロロキンはその中で比較的副作用が少ないので用いられる事が多いが、マラリアにはクロロキンに耐性があるものもいる(パプアニューギニア、インドネシアなどで)ため、他の抗マラリア薬を使用もしくは併用される事もある。  



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